地方議会って、何をしているかよく分からない。。
地方議会は人手不足らしいけど、大丈夫なの?
こうした疑問に答えます。
その前に、地方議会の仕組みと役割についてはこちら。
結論から言うと、人口減少社会で地方議会が抱える問題点は、
二元代表制の機能を果たしていない
事です。
ちょっと分かりづらいですね。分かりやすく説明します。
車の両輪として
首長と議会は、よく「車の両輪」にたとえられます。
ですが「アクセル」と「ブレーキ」の方が分かりやすいので、そちらで例えて説明します。
議会は「ブレーキ」として、首長に対して「ダメなものはダメ」というビシッとした対応が求められます。
しかしながら、こういう場合はどうでしょう。
確かに、首長が推進したい方向性には、スムーズに進みます。しかし、
議会、必要・・・?
って感じがしますね。
議会が全てのYesだと、アクセル全開で止まらない車です。
もちろん、全ての地方議会がこういった状況ではありません。
しかし今、全国の地方議会では、こうした傾向が高まりつつあり、
「ブレーキ」としての機能が、少しずつ低下していると言われています。
NHKが全国1万9000人余りの地方議員からのアンケートを集計したところ、
首長が強すぎる!
との声が相次いだそうです。
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/15937.html
機能不全の原因
議会がこうした「機能不全」に陥ってしまう原因は、
新規参入が乏しく、「なり手」が固定化している
事です。車のパーツにたとえると、「サビ」が付いてしまっている状態です。
無投票当選の増加
確かに総務省のデータを見ると、「町村議会議員」「都道府県議会議員」
の無投票率当選が高くなっている事が分かります。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000630968.pdf
新規参入を阻む壁
それではなぜそうした状況になるのか、深堀してみると、以下のような理由が考えられます。
- 議員自体の魅力が低下している(高齢男性ばかりのイメージ)
- 議会活動への周知が不足している(議員が普段何をしているか分からない)
- 議会の拘束時間が日中に偏っている(議会の中継を見る時間がない)
どうすれば解決できるの?
議会への「新規参入」を促し、二元代表制の機能を取り戻すためには、
議会の「規制改革」(ルールの見直し)が必要です。
具体的には
- 定数を見直し、一人当たりの給与水準を変える(若い人向け)
- 議会の開催時間を見直す(若い人向け)
- オンラインでの議会参加も認める(ハンデキャップの方向け)
など、新規参入のルールを見直すことで、多様な人材が参加しやすくなります。
もっと詳しく知りたい方は、総務省の検討会資料をご覧ください。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/kenkyu/chihogikai_giin/index.html
しかしこれも、大前提として議会の中で
自分たちを変えよう
という強い意志がないと変わりません。これに期待するのは、中々難しいかもしれません。
(余談)そもそも地方議会は必要?
従来、地方議員の仕事は「地域の声を政治に反映させる事」でした。
しかし、LINEやSNSと言った通信技術の発達により、「地域の声」やデータを届けるコストは格段に下がりました。
そうした課題や陳情を政策に正しく反映できれば、地方議員の役割は益々低くなると考えられます。
地方議会には、「時代の流れに合っていない」制度やルールが多いと感じます。
例えば、未だに「紙の資料」が多く、その準備に多大なコストが割かれているのが現状です。
AIやロボットが発達する中で、機械化が可能な部分も益々増えていきます。
そもそも、二元代表制の機能が薄れているのであれば、新しい在り方も考えたり、
大きな時代の変化を見据え、根本的な制度を見直す段階に来ているのではないでしょうか。
より詳しく知りたい方向け
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