人口が増えれば良いのか?
私が生まれた船橋市と、現在住んでいる五島市の人口推移を比較してみると、その傾向は対照的です。
以前のエントリにも書きましたが、私は「人口減少対策」に懐疑的です。
https://nakanishidaisuke.com/2018/11/09/population-policy-2/
人口が増えるメリットとしては、
- 地域が活性化する
- 税収が上がる
などが考えられますが、逆に人口が増えるデメリットとしては、
- 社会保障(教育・医療)のコストが増える
- 交通渋滞が増える
- 環境の悪化が進む
などが挙げられます。
私が生まれた船橋市では、幼いころと比べ、明らかに人の数は増え、どちらかと言うと上記の「悪い部分」の方が増えているように感じます。
特に交通渋滞が深刻で、出来る限り休日は車を使いたくありません。そのため、人口増加は地元で長く住んでいる人間からすると、「悪い方向への変化」です。
さらに言うと、都会だったら、人が増える事への心理的な抵抗が小さいですが、人が少ない過疎地だと、
こいつ誰?
って思われるのが普通です。
五島市の対策
五島市は今、「人口減少対策」として、あの手この手で対策を講じています。
ですが私は、そんな「化粧」をするのではなく、「今いる人たちの暮らしを良くする」方が大切だと思います。
一番悲しいのは、移住に関するミスマッチです。
五島に「良いイメージ」を持ってきたのに、低賃金・長時間労働・人間関係のトラブル、という現実的な課題に直面し、嫌になってしまうというケースです。
移住者対策に必要以上の税金を割くのではなく、既存住民の生活向上にお金を使うことが大事です。
適正人口を考えよう
そのうえで、最適な水準で人口規模が落ち着けば良いと思います。現在は、
人口が減る=社会の持続が不可能
という、根拠のない悲壮感に捕らわていることが問題です。
本来は客観的な事実から「人口の適正水準」を模索することが必要です。現在・および将来の生活の変化として、
- Maasによる交通革命
- シェアエコの拡大
- 5G回線の普及に伴う通信基盤の変化
などが挙げられます。そのため、「人口の適正水準」もタイムリーに変わっていきます。こうした未来の変化を予測するうえでは、
- 自治体そのものが、社会の変化を見定め
- 最適な人口規模とサービスの水準を示す
ことが必要です。