脆弱な野党
安倍1強という年月が長く続いていますが、本日はその理由を、国民民主党の「日米地位協定」改定案から見ていきます。
その前に、日米地位協定について、おさらいです。
「日米地位協定」は、締結以来、一度も見直しが行われていません。
ということで、日米関係の基盤ともいえる協定です。
この協定を根拠として、戦後70年以上が経過した現在も、多くの米軍基地が存在し、大勢の米軍人や軍属が駐留し、米軍関係の事件・事故が絶えません。
これも事実であり、特に沖縄で大きな問題です。
基地外で発生する事件の捜査や事故の処理に日本の警察をはじめとする公的機関が排除される事例は珍しくありません。
要するに、日本の自治が及ばない、という事が問題となっています。
この日米地位協定を巡り、国民民主党は改定案を提出しています。
日米地位協定の改定案
改定案を読んだ感想として、
実現可能性の乏しい理想論
のように見えます。(改定案:https://www.dpfp.or.jp/article/200983)
確かに書いてあることはその通りで、実現出来れば良いと思います。
しかし、70年以上も改訂されなかった背景には、日米の安全保障上の譲れない合意があります。
実現可能性の疑問に横たわる背景には、
- なぜ民主党政権時にあれだけ混乱し、失敗したのか?
- かつての反省をどう活かすのか?
- アメリカ側がどれだけ譲歩してくれそうなのか?
という部分が見えず、国民の間には、
また威勢の良いかけ声だけで終わりそう
という不信任があると思います。
そのトラウマこそが、現在の長期腐敗政権を生み出してしまった原因の一つと言えます。
私が野党だったら
国民民主党の政策提言としては他にも、
- 入管法改正案
- 国民投票法改正
- 魚漁法改正案
- 安心労働社会実現法案
- 公文書管理法改正案
- 主要作物種子法案
- 児童虐待防止法案
などが掲げられています。
国民民主党のHPより(https://www.dpfp.or.jp/feature/200269)
HP上では、日付の新しい提言が上に表示されるようになっているようです。
しかし一見するだけでは、「日米地位協定の改正」が一番優先順位の高い政策のように見えてしまいます。
何事も「優先順位」というのがありますので、私だったらもっと見せ方を重視します。もし私が野党だったら、
- 国民の関心が最も高く
- 実現可能性が最も高いテーマ
を最上位(HPのトップに表示)にします。
その観点からすると、日米地位協定の改定が一番上の「見せ方」はまず失敗です。なぜなら、
- 国民の関心(及び認知度)が高いか疑問であり
- 実現可能性が最も低いテーマ
だからです。
私だったら、暮らしに最も身近なテーマとして「入管法」を最優先の課題(HP上のトップ)に掲げます。
こういった見せ方も含めて、野党にはもっと国民の意見をマーケット感覚で捉え、
私たちはこれが大事と考え、実行できます!
という姿勢を示してほしいですね。