風邪でダウン
年末。マスクもかけずに東京や船橋でウロウロしていたことが災いし、風邪をひきました。
椿マラソンに向けた練習もできず、体も重かったので、実家のソファーで寝てました。
ただ、それでも出来ることはあります。
目を閉じて、ニュース番組に耳を傾ける事です。
本日は、TBSの番組を観た感想をご紹介します。
報道の日2018
かなり凝った中身で大作という感じでした。
番組の内容はこちら。
http://www.tbs.co.jp/houdounohi/
番組のテーマは
「アメリカ1強」が「平成の30年間」で何を生んできたのか?」
という事で、非常に面白かったです。
番組の基本的なスタンスとしては、「日本経済・社会に対するアメリカの関与」をテーマにしているみたいで、あまり教科書では学ばない、アメリカの「黒幕」的な描かれ方がされていました。
ただ、私が見ていて思ったのは、アメリカは黒幕ではなく、利害関係を共にするパートナーだという事です。
日米貿易摩擦
日本はアメリカに対して、高度成長期から一貫して「貿易黒字」の状態が続き、貿易摩擦を生んできました。
https://www.mizuho-ri.co.jp/publication/research/pdf/today/rt170404.pdf
そうした危機感から、規制の多い日本の市場開放を狙い、
- 1989年以後:日米構造協議が実施
- 1994年以後:年次改革要望書
という市場開放の圧力が強まりました。この要求が最も実現されたのが、「小泉政権時代」でしょうか。
当時のアメリカから見れば、日本の市場は反グローバルであり、保護主義的な市場に見えていたのでしょう。
貿易収支を改善するためにアメリカが日本に期待したのは、米国企業が日本で自由にビジネスを出来る環境です。
アメリカから見れば、経済のグローバル化は普遍的に価値ではなく、単に「自国の利益に繋がる」方針に過ぎません。
同様に、現在のアメリカが「反グローバリズム」を明確な方針として示しているのは、「自国の利益に繋がる」と考えているからです(実体経済への影響はともかくとして)。
軍事同盟を結ぶ日本でさえも、貿易収支の赤字は叩かれていました。ましてや、同盟国でない中国に経済的な覇権を握られることは、アメリカにとっては、とてつもない恐怖なのでしょう。
それが現在の米中貿易戦争に繋がっています。
日本は独立国家ではない?
日本の安全保障は、アメリカに大きく依存しており、その弊害として、日本の自治が及ばない部分(横田空域や沖縄の基地)が数多く存在します。
日米地位協定に基づく治外法権的な空の壁が存在することを加味すれば、確かに日本は独立国家ではありません。
ただし、日本は安全保障をアメリカに依存することによって、奇跡的な経済成長を遂げたという側面もあります。
「独立国家」という幻想
日本以外の国、例えばEUでも、移民や経済のグローバル化で、民族的な均一性がすっかり薄れています。その意味では、
「完全に独立した国家は、世界中に存在しない」
と思います。
どの国も、経済面での依存関係・軍事面での協調関係を、他の国と結んでいます。
表向きは独立国家という体裁を取っていたとしても、他国の存在に依存しない国家はありません。
共同国家の構築を
日本がアメリカとの関係を見直し、独立的に自分たちだけでやっていくことは、現実的に不可能です。
さらに人種という観点でも、日本社会は、移民の労働者に頼らざるを得ない状況ですので、もはや「純潔な独立国家」では運営不可能です。
そのため、
- 「アメリカからの軍事的依存度を減らす」という独立国家
ではなく、
- 「アメリカが抜けても大丈夫な国作り」という共同国家
の方針の方が、不確実性の高い現代の社会では、現実的です。