年末の「平成の振り返り」的な話題が多いので、本日はこれからの自治体の話をしてみたいと思います。
未来のことは誰にも分かりませんので、まずは確実性の高い事実からおさらいしておきましょう。
緊縮財政と民営化
自民党の政策では、緊縮財政の号令のもと、今まで行政側が行っていたサービスが民営化される方向性が続いています。
水道行政や漁業権の見直しなどの規制撤廃がその典型ですが、それに加えて民間側の労働力不足の対策として外国人の受け入れも拡大しています。
そもそも日本に数ある自治体って、殆どが「交付税」に頼らないと運営できない「赤字部門」です。
その赤字を少しでも緩和するために、民営化して合理化するべきところは、民営化する流れが今後も続いていきます。
今でも続く「ハコモノ」の発想
かつて民主党が政権を握ったときに、「コンクリートから人へ」という号令の下で、ハコモノ行政が見直されました。
今でも使われなくて老朽化している施設は日本の各地に存在します。そしてこれからの人口減少時代、「大きな建物」は悉く採算性のないハコモノになる可能性が高いです。
こうした事は、少しマーケティングをすれば分かることです。ところが行政では、採算性を考えずにハコモノを作りがちです。
今でもまだまだ、「ハコモノ」的な政策が地方の自治体で行われています。
例えば五島市では、数億円をかけて全く使われないような「観光交流センター」を作ったりしています(久賀島)。
人口減少時代の地方自治体
これから先、ますます人口減少が顕著になり、加速度的に空き家や老朽施設が増えていきます。
そうした中で、国も今までのように、地方にホイホイとお金を渡す発想は制限されます。
そのため、「新しい建物」を建てること自体、採算割れの可能性が高く、行政が関与に関わるべきではないだと考えられます。
そこで企業の生存戦略としては、活路を見出すために、「国から企業へ」とシフトしていかざるを得ないでしょう。
企業競争のための特区制度
そうした中で、企業に求められるのは「地方創生のパトロン」的な役割です。特に大きな家電メーカーだとか、システム屋だとか。
大きな資金を持つ企業が地方に事務所なり子会社なりを設立し、新しい社会の在り方を模索するような活動を始めることになります。
そうすることで、税収という面でも恩恵がありますし、多少なりとも人口減少対策という面でもプラスになります。
今現在、政府の方では「スーパーシティ構想」を地方創生と絡めて、新しい社会の実験を始めようとしています。
失敗事例と成功事例
そうした変化の中で、失敗する自治体と成功する自治体の差は、
「どれだけ企業のパトロンを得られるか?」
という点です。従来の発想、つまり
「どれだけ国からお金を取ってこれるか?」
だった点と比べると、圧倒的に情報戦としての側面が強くなります。
地方の区長に求められるのは、従来のような「国・県との親密さ」ではなく、全くゼロベースの企業役員を説得できるような地域戦略と情報収集です。
- 国に頼らない政策を立案し
- 企業の情報を集め誘致の計画を立てる
という事が、これからの自治体に求められます。