カネミ油症
カネミ油症が報じられて、2018年で50年となりました。
広報ごとうでも報じられていて、今月は50周年記念行事も催されます。
詳細はこちらをご覧ください。
50年経った今でも、油症の被害で苦しんでいる方がいるのが現状です。
本日は、カネミ油症から私たちは何を学ぶべきか?
というテーマについて考えてみます。
安全性よりも便利さ
当時は、原因物質となるPCBが製造されたことに対する制裁や、規定も存在していませんでした。
その危険性が十分に検証されないまま、製品が世の中に安く出回ってしまい、ようやく事件の発覚から4年後
1972(昭和47)年 PCBの環境汚染が全国的な問題となり、製造・使用が中止に。
なっています。肝心なことは、販売者も消費者も、その実態を知らず、安いという理由だけでそれを使用し、「被害者」になってしまった点です。
もちろん当時は、生産者のカネミ倉庫側も、有害物質による健康被害を十分に認識していなかったのでしょう。
安全管理は国の基準
今でこそ、「美味しい話には裏があるんだな」と決めてしまうことは簡単です。
ですが、現在の私たちの周りを見渡して、本当に食品の安全性は検証されているのでしょうか?
カネミ油症だけではなく、戦後は様々な公害を経験し、食品に対する法整備も進んできました。
ただ、例えばスーパーで買う商品について、本当に胸を張って
この商品は絶対に安全です!
と言える消費者は、少ないのが実体ではないでしょうか。国内産の商品は安全、というイメージがありますが、それはあくまでイメージです。
その意味では、産地も見ずにスーパーで買い物をする消費者は、日本の国が定める法律を暗黙的に信じているとも言えるでしょう。
TPP発行と消費税増税
10月31日の産経新聞では、TPPについて
発効が12月30日に決まったことで、来年1月1日には早くも発効2年目に入る。
発効からの年数によって関税は段階的に引き下げられるため、発効が早まった分、「消費者にとっては海外の商品がさらに安価で手に入る」(茂木敏充経済再生担当相)
と紹介されています。
食の安全性だけに焦点を当てれば、海外の製品に対する安全性のチェックは大丈夫なのか?が心配になりそうです。
しかし、昨今のニュースを見ていると、消費増税という大きな心理的不安に対して、政府が
- 大丈夫!商品券(子供だまし)を上げるから!
- 大丈夫!TPPで商品は安くなるから!
というようなストーリーを作り、消費者の経済的な心理不安を和らげようとしているように思えます。
しかし一方、大切な情報から常に遠ざけられている私たち消費者は、本当に大切な食の「安全性」について、
- チェック機能は果たして十分なのか?
- チェック機能は本当に正しく働いているのか?
自分の頭で冷静に考える必要があると思います。一方で
過剰に不安になる必要はないんじゃない?
という方もいるかと思います。確かに心配ばかりしていては、一歩も外に出られません。
ただ、カネミ油症の被害に遭われた方々のことを考えると、私たちはもう少し、
誰かが唱える”安全”を、懐疑的に考える習慣
を持つべきだと思います。
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