人口減少対策は「自国ファースト」
政治の世界では、世界的に「内向き」な視点が広がりつつあります。
アメリカに端を発し、「自国ファースト」で他国を敵対視する風潮が、世界全体のトレンドになりつつあります。
日本でも持ち出された「都民ファースト」や「県民ファースト」の発想が、今後はよりローカルな「島民ファースト」や「市民ファースト」になっていくでしょう。
実際、財政問題・人口減少に苦しむ五島列島の五島市では、
「人口減少対策」
という「内向きな視点」からの政策立案が行われています。
ボーダレスな問題
しかしながら、世界は好むと好まざるとに関わらず、繋がっています。
完全に経済や社会を閉鎖して、情報や流通を遮断することは、実質的に不可能なことです。
自分だけのコミュニティで解決できる問題は、すでに存在しないといっても過言ではありません。
例えば環境では、マイクロプラスチックによる海ごみだけでなく、PM2.5をはじめとする大気汚染も、自国だけでは解決できない問題となっています。
それだけでなく、社会・経済の面でも、インターネットを媒介として、「国境のない主体」が増えています。
たとえば仮想通貨やe-スポーツを通じて、国籍も人種も関係のない主体に交流が生まれる変化が起きています。
「自国ファースト」は幻想
そうした変化の中で、極端な「自国ファースト」を標榜することは、穴の空いた桶を両手で塞ごうとしているようなものです。
私が市長だったら、「自国ファースト」な風潮の中で、あえて反対方向のカラーを出します。いうなれば「世界ファースト」でしょうか。
問題解決の視点で世界に目を向ければ、資本主義経済の限界とも感じられるような現象が、山のように転がっています。
- 大量消費の生活による環境破壊の問題
- 少子化・高齢化による社会保障の問題
- AI普及による人間の役割・BI導入の問題
こうした「世界が直面している問題」に対して、社会実験を行い、そこで得られた情報を世界に展開します。
学問の世界でいえば、「参照するべき先行研究を増やす」というイメージです。例えば、ある国が、
社会にベーシックインカムを導入しようとしている。そのうえで、人口規模が××人の五島では、△という研究結果がある。
となれば、それは世界的に見て大きな貢献です。
小さな島が、「人口減少対策」という「自国ファースト」の視点で政策立案をするのではなく、「世界ファースト」の視点を導入し、それに基づいた政策を打ち出します。
現在・そして将来的に世界が直面するであろう問題の解決に向けて、
- 「世界の視点」で問題を定義し直し
- 「世界の共有知」として役立つ社会実験を行い
- 「人類の財産」として役立つような情報発信を行う
という政治にします。具体的には、
- 持続可能な生産・消費スタイルの模索と提案
- 社会全体のAI化・脱労働社会
を基に、最先端技術の利用と促進を、世界中のどこよりも多く実現していく形です。
https://nakanishidaisuke.com/2018/03/08/if-mayor-2/