原発の再稼動
九州の玄海原発3号機が再稼動しました。
ニュースはこちら。
これで全国の稼働中の原発が5基になりました(2018/3/23現在)ので、改めて九州電力と全国の電力会社を比較してみましょう。
- 九州電力 川内原発2号機
- 九州電力 玄海原発3号機(今回再稼動)
- 関西電力 高浜原発3・4号機
- 関西電力 大飯原発3号機
現在稼働中の原発一覧はこちら。
原発で変わる決算数値
2017年度の各電力会社の決算数値を見ると、
四国電力と九州電力は原子力発電所の再稼働が寄与して増益を確保するなど、明暗が分かれた。
とあるとおり、原発の稼動が業績に与える影響が大きいと見られます。参考記事はこちら。
四国原発の再稼動(伊方原発)は、現在係争中です。
太陽光発電の過剰供給
一方、九州電力では、太陽光の発電比率も予想以上に増えています。
九州電力が示した資料(再エネの導入状況と至近の需給状況について)の図を見ると、太陽光が増えすぎていることがわかります。
関連記事はこちら。一見すると、
エコな電源が増えて素晴らしい!
となりそうですが、電力供給の体制としては問題が大きいのです。実際、太陽光発電は九州電力が定める「持続可能量」を超えて
- 接続契約申込み
- 接続検討申込み
が余っています。太陽光が増えすぎると、太陽がガンガン照りつけた日には、
- 太陽光出力増に対し、火力の抑制等で対応
- 昼間は揚水発電の動力運転や火力の抑制・停止
が必要です。更に太陽が落ちてからは、
太陽光出力減等により、1時間で200万kW程度の急激な変動のため、揚水発電や火力の増出力・再起動で対応
するしかありません。一言で言えば、
太陽光発電の尻拭いが大変
なんです。
既に九州電力はパンパン状態ですので、今後新規に太陽光発電の申し込みをすることは難しいでしょう。
電力会社の本音と建前
決算数値からも分かるとおり、九州電力を例に取ると、
- 原発:経済的で儲かるから推進したい
- 再生可能エネ:儲からないし不安定だから減らしたい
というのが本音ではないでしょうか。
しかし政府の方針や、世論への風当たりもあることから、
当社は再生可能エネの導入比率が高いです!
という建前は必要とされます。
今後の発想電分離を前に、大手電力会社がどのように事業を展開するのかが楽しみですね。