離島経済 × 島外需要に頼る商売
レンタカー、ホテル、旅館、民宿、飲食店、観光ガイド。
そうした島外需要に頼る商売は、冬場がとっても厳しい。
こちらに来る前から分かっていたことだけど、五島の冬は寒い。そして今年は気温が例年よりも寒いということもあってか、想像以上に観光客が少ない。
実際、ガイドのチラシをレンタカー屋やホテル・旅館、空港や港に大量に置いてもらっているのだが、配布1ヶ月での予約は0の状態。
最初のチラシでイケテなかった部分を改善してチラシを再配布するも、やはり電話のベルはならない。
それもそのはず。老舗のホテルや旅館でさえも、この時期は一ケタ台の宿泊客であるというから、そもそも客数が少なすぎる。
チラシの改善をいくらしても、それは魚のいない釣り場で一生懸命竿の手入れをしているようなものだ。
問題は、この冬をどう凌ぐか?
ということだが、これが中々どうして難しい。
市役所としても、永久の課題である「冬場の観光」を盛り上げるために「椿祭り」とか長期的なイベントを催しているが、それでも商売人にとっては厳しいというのが現実。
冬場の戦略として有力な選択肢について考えてみた。
選択肢1.冬眠する
経営の体力を温存するという意味では、実際コレが一番懸命な選択肢である気がする。
極力省エネにして、雪解けを待つ。
そして夏場の観光に向けて販売戦略と準備を入念にしておく。
「島民は冬眠する」
という戦略は、冬場に釣れない海に出かけて消耗するより、よほど懸命なやり方ではないだろうか。
選択肢2.外販で稼ぐ
飲食店やメーカーであれば、作った品物を「島の外」でも販売できるから、冬場もホットな市場を見つけることで食いつなぐことが出来る。
しかしながら、収入源が島内にある事業(ホテルとかレンタカーとか)はコレが厳しい。
SUPだったら南半球に板を持っていって営業するのもいいかもしれない。
島の中にしか「売れる資産」を持たないと、冬場は致命的。
選択肢3.島民向けにシフトする
夏場は観光客向けに商売をして、冬場は島民向けに商売をする。パイは小さいけれど、そうやって食いつないで行く方針も一つのやり方だ。
分かりやすい例で言えば、飲食店がおでんを始めるとか。
地元の人に受けるサービスを提供する方向に経営資源を投下するのがうまいやり方だ。