ぼったくりの被害に遭いながらも、何とかホテルにたどり着く。
ホテルで一安心
宿のオーナーは、英語を流暢に話すことができたので、この国に来てようやくまともに人と話ができた。そこは私のような単身旅行者に人気の宿で、海外の客も数人出入りしているようであった。
サバーナ シティ ホテル (Sevana City Hotel)
私は荷物を部屋に置いて、オーナーから近くの観光スポット案内を聞いた。ブッダの歯が安置されているという仏歯寺への行き方や、儀式の時間帯、バス停までのショートカットコースを聞いた後、ちょっと外を散歩することにした。
そういえば、朝にパンを食べたきりでバスに揺られタクシーに揺られ、お腹ぺこぺこである。
スリランカランチタイム
ちょうど私がホテルを出るタイミングで、中国人っぽい男性と一緒になった。彼も荷物を置いて、お昼ご飯でも食べに行こうか、という感じである。私は彼に話しかけてみることにした。
「Do you speak English?」
「Yes , a little」
「Where are from?」
「・・・日本ですけど。」
そこでお互いに笑いあい、彼を日本人と見分けられなかったのが恥ずかしく思った。我々は近くのお店に入ってみて、少し遅めの昼食を取ることにした。
彼はアパレル関連で働く店長であるという。私も自分の仕事の話をして、海外旅行の楽しさについて語り合った。異国の地で、偶然同じ国籍の人と会うことは、嬉しいし元気が出る。
お酒を飲みながら、スパイシーで量の多い料理に舌を巻き、食べきれないくらいのご馳走にありつく。味も期待以上に美味しい。ふと辺りをみると、近くの席に座っている現地人男性の視線が気になった。
なにやらチラ見されている
まあスリランカでは、日本人がいること自体が珍しいのだろう。電車で浴びた好奇の視線を思い出し、その視線を感じながらも食事を続ける。しばらくすると、我々のことを見ていた男性が、席に立ち寄って声をかけてきた。
「あなたたちは、にほんから、来ましたか?」
現地の人がスムーズに日本語を喋るということに驚きながらも、我々は自然に愛想よく返事を返す。話を聞いてみると、なんと彼は5年間、日本のホテルで働いた経験があるらしく、それゆえ日本語も堪能であった。
日本人との出会いと、日本語を話せる現地人との出会い。それは偶然の出来事だったが、よくできた巡り合わせである。彼は
「是非、こんど自分の家に遊びに来てくれ」
と積極的である。我々はひとまず連絡先を交換し、彼と別れた。
「また会いましょうね。困ったことがあったらなんでも聞いてね」
親切そうな現地人と別れ、一旦日本人の男性と共にホテルに戻った。3時半に入り口で待ち合わせして、街の名物である仏歯寺に行く予定である。
しかし一向に現れない
おそらく部屋でうたた寝をしてしまったのだろう。普段だったらイラッとするところだが、全然嫌な感じもしなかった。
この国に来て二日目だが、早くも「約束が守られない=普通」という耐性ができてしまったようである。よく言えば、
人に寛容になった
ということかもしれない。何しろここは仏教国である。私は一人で気ままに市内散策することにした。