五島で働き、走り、考えた2025年の記録

政治的な目線、市民としての目線、そして事業主としての視点から、2025年を振り返ります。

事業者として

今年も多くの方に「五島SUP」をご利用いただき、大変うれしく思っています。昨年は選挙と重なり、ほとんど現場に出られませんでしたが、今年は私自身も多くの時間を海で過ごし、お客様と一緒に遊ぶことができました。

今年は海外からの観光客も数組訪れ、シュノーケリングを楽しんでいただきました。海水温の変化の影響でしょうか、今年はサンゴの生育が例年より良く、色鮮やかな海を体感してもらえた年でもありました。

大浜で仕事を始めて今年で9年になります。今では立派なホテルも建ち、海を通じた交流人口は着実に増えています。地元の皆さんと、五島の素晴らしい海環境に改めて感謝した一年でした。来年は、さらに多くの方に楽しんでいただけるよう、しっかり準備を進めていきたいと思います。

夜の時間帯は、映画『この夏の星をみる』の影響もあってか、星空ガイドにも多くの方にご参加いただきました。星空ガイドは通年で実施していますが、冬場は風が吹くと寒いため、夏の天の川をじっくり鑑賞するのがおすすめです。

市民向けの星空案内も実施できたことから、今後は新しいガイドの育成にも力を入れていきたいと考えています。

市民として

私が五島市に住んで良かったと感じることの一つに、「島でお金を使うことが楽しい」という点があります。都会でサラリーマンをしていた頃は、毎月振り込まれる給料はありがたいものの、「誰から」受け取っているのかを実感することはあまりありませんでした。支出の場面でも、買い物や飲食の相手は、ほとんどが「会ったことのない人」でした。

一方、島での生活では、自分が直接サービスを提供したお客様から対価をいただき、それを顔見知りの店(主に飲食店)で使う機会が多くなります。自分自身が離島経済の担い手として、目に見える相手とお金のやり取りをしている実感があることは、事業主としての大きな楽しみでもあります。

自分が収入を得るだけでなく、島で事業を営む顔見知りの方々のサービスを積極的に利用したい。そんな思いを、今年も改めて強くしました。

ランナーとして

今年はつばきマラソンに始まり、2度目のトライアスロン、夕やけマラソンと、五島市内のレースを無事に完走することができました。沿道では、誰よりも多くの声援をいただき、本当にありがたかったです。

五島は、毎日が絶景で、毎日がマラニック(マラソン+ピクニック)のような環境です。気分的には、常にスポーツ合宿をしているような感覚でもあります。わざわざ島外から合宿に来る人がいるほど恵まれた環境で、日常的にトレーニングできることは、ランナーにとって非常に幸運なことだと思います。交通量が少なく、道路も広く、起伏に富んだコースが多い点も、五島ならではの魅力です。

そして懲りもせず、来年のバラモンキングにもAタイプでエントリーしてしまいました。言うまでもなく、このレースには「一定の覚悟」が必要です。ただ、スポーツマンとしては、定期的に次の目標となる大会がある方が、運動習慣を維持する上では良いとも感じています。

12月はランナー膝の影響で1か月ほどブランクができてしまいましたが、これも一つの学びと捉え、しっかり休養を取りました。来年は、富江ブルーラインマラソン、つばきマラソン、佐賀さくらマラソンと、レースが目白押しです。

市議として

今年は2月の選挙で、2度目の当選をさせていただきました。今さらながら興味深いと感じるのは、前回の市長選挙で市長と戦い落選した2名が、市議として復活し、再び市長と論戦を繰り広げている点です。

一昔前の日本、あるいは現在の一部の国では、「政治的な敗北」はそのまま政治生命の終わり、場合によっては人生の終わりを意味することもありました。しかし、日本の民主主義ではそうではなく、敗れても「ただの一市民」に戻るだけで、再挑戦も可能です。チャレンジのハードルが高すぎないという点で、日本は良い国だと改めて感じます。

選挙を通じてうれしかったことの一つは、私の「選挙カーで名前を連呼しない」というスタイルに共感し、それを実際に模倣して上五島で当選した新人議員が現れたことです。さらに、対馬でも私と同じ境遇(よそ者×若者)で市議に挑戦し、当選された方が誕生しました。小さな光ではありますが、離島政治にも確実に変化の兆しが生まれていると感じています。

新しい議会では、私が一番「やかましい存在」になったのではないかと思います。質疑、質問、反対討論と、発言回数はおそらく最多だったはずです。理事者側から見ればやかましい存在だったと思いますが、その「やかましさ」こそが、議員という仕事の本分ではないかとも考えています。

InstagramやYouTubeで議員活動の様子を比較的頻繁に発信しましたが、想像以上に多くの方に見ていただき、政治家として情報発信の重要性を強く実感しました。12月議会最終日の「副市長の解職」に関する解説動画は1.9万回再生され、市民の政治への関心の高さを感じる出来事でした。来年も継続して発信していきたいと思います。

AIの飛躍的進歩に関して

事業主、市民、ランナー、市議としてのすべての活動において、今年ほどAIの進歩を実感した年はありませんでした。日常的にAIを使う頻度が、明らかに高くなったと感じています。

事業では主にSEO対策、市民としては情報整理、ランナーとしては日々のトレーニング管理、市議としては議会活動全般で、大いに役立っています。

感覚的には、『ワンピース』のルフィが2年間の修行を経て「100倍強くなった」と豪語している状態に近いかもしれません。WEBやアプリ開発など、一定のプログラミング知識が必要な分野でも、これまでできなかったことが次々と可能になり、大きなワクワクを感じています。こうした変化を前向きに楽しめているのは、前職でエンジニアとして働いていた経験があるからだとも思います。

最近では、五島市に関するさまざまな「情報集約サイト」の構築にも挑戦しています。まだ試作段階ですが、可能性を検証しながら、少しでも便利なサービスを形にしていきたいと考えています。

結びに

五島市での生活が楽しい、心地よい。

そう感じる人が一人でも増えるように、事業や政治活動を通じて、できることの幅を広げていきたいと思います。

皆さまにとっても、良い年末となりますように。