11月20日、五島市/荒川温泉施設の今後を巡る住民意見交換会に参加しましたので内容の紹介です。
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目次
1. 社協側(運営者)からの説明・経緯
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検討委員会を3回開催し、老朽化・修繕費増・維持費負担・人手不足・人口減少を総合的に判断。
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年間200万円規模の修繕費、施設全体での修繕は約2000万円必要。
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社協全体としても財源が厳しく、独立採算では維持できないため、温泉施設の売却を決定。
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10/17に住民説明会、施設内掲示、長崎新聞報道等で周知。
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今後は玉之浦支所で相談窓口(週1回)を開設予定。
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施設の2階はショートステイ廃止後 未使用。地域活性化には観光業者による活用も期待。
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売却に向け、事業者への譲渡準備を進める。
2. 売却に関する現状
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売却は 温泉施設+温泉源(土地に付属)を一体で売却。
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2〜3件の事業者から問い合わせあり。
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五島の地域振興に寄与する事業者を優先したい意向。
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転売禁止などの条件付与については「気をつけたい」と回答。
3. 住民側の主要な懸念・要望
◆ (1)温泉の継続利用ができないことへの強い不安と不満
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高齢者など、毎日入浴が生活上必須の住民が多数いる。
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「3月で終了」「急な話」「もっと早く方針を示すべきだった」など、社協の対応への不満が殆ど。
◆ (2)売却前に温泉のみ継続利用する案
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郷長、住民より
「売却先が決まるまで温泉だけでも継続して利用できないか」
という強い要望。
→しかし社協側は「不可能」と回答
(理由:浄化槽の撤去工事を実施予定、排水・給水を廃止するため営業不能)
4. 浄化槽問題(議論の中心)
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現在の浄化槽は故障していないが、撤去する方針。
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撤去後は温泉の排水処理ができず、営業そのものが不可能。
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住民からは以下の指摘:
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「浄化槽を撤去すると業者が買わないのでは?」
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「土地の問題を解決すれば撤去不要では?」
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「売却後に浄化槽工事をすべきでは?」
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→社協:
「撤去が買い手の前提。すでに撤去は地権者と合意済み」
5. 市(行政)との関係についての議論
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中西市議から「売却前に市への支援要請・協議は行ったのか?」の質問。
→社協の回答:
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支援要請はしていない。理由は赤字が続き、市の補助は難しいと判断したため。
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今後、市との協議予定も現時点では「ない」。
中西市議:
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売却先が決まらなかった場合、住民からの要望を受けて、市側に何らかの対応を求められる可能性を指摘。
6. 今後の対応方針・住民側のアクション
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郷長:
「温泉を絶やさないという決議を行った。何らかの対策を講じる予定。」 -
住民:
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1日でも長く温泉を使いたい
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船で入ってくる人など“生活に直結した利用者が困る”ことを強調
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社協に再検討を強く要望
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→社協回答:
「事業廃止の決議済み。継続は困難。浄化槽撤去工事により営業も不可。」
総括(全体のポイント)
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社協は経営的理由から売却を決定し、浄化槽撤去・事業廃止を前提に動いている。
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住民側は、生活インフラとしての温泉の重要性から“一日でも長い継続”を強く要求。
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特に高齢者の入浴ニーズ、船舶利用者の存在など、地域生活に不可欠な施設としての側面が強調された。
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売却前に温泉を止める社協の方針については、「周知の遅れ」「配慮不足」などの不満が多かった。
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郷としての独自対策(温泉存続を模索する方針)も示されたが、社協は現時点で応じる姿勢は見せていない。