五島市は「住みやすさ日本一」を目指して各種施策を推進しています。
ご存知だったでしょうか。あまり市民にそのビジョンが浸透されていないように感じますが。。。
以下、総合戦略アンケートの結果から、5年前と比べた五島市の暮らしやすさの数値を紹介します。
https://www.city.goto.nagasaki.jp/s007/040/010/090/040/02-20240612siryou2.pdf
五島市は住みやすいか?
市民アンケートの結果からは、住みやすさの指標は低下している事が分かります。
更に住み続けたいかどうかの回答では
住み続けたい人が減るという悲しい結果になっています。更に年代別に見ると
という事で、これは中々興味深い結果ではないかと思います。
10代・20代・30代の3割以上が五島市以外に移りたいという状況をどう捉えるかです。
10代について
都会への憧れや、進学等でより高いレベルに挑戦したいという意欲を持つ人がいる事は、良い事だと感じます。
都会からUターンする可能性も考えれば、むやみやたらに地元に留めておくことが良いとも限りません。
一度島を出てみる、というのも一つ大事かもしれません。
20代・30代について
働き盛りの世代ではありますが、比較的転出意欲が高い事が分かります。
希望する働き方や収入・生き方が得られる可能性があるかどうかがカギになるため、
地元の若者から、住みやすさに繋がる要因をもう少し深堀していく必要があると感じます。
「住み続けたい」の別の解釈
住み続けたいか?というのはポジティブな質問ですが、逆に考えると、加齢とともに人生の選択肢は狭くなるため、
住み続けるしかない
という状況であるとも言えます。
特に70歳以上の方に関しては、定年を迎えている事からも、仕事で島を出る可能性は低そうです。
そして最も深刻な状況は、
住み続けたいが、住み続ける事が出来ない
というケースです。例えば郡部では公共交通は時間帯が限られ、歩いて買物に行ける場所もありません。
今後五島市が取り組むべき重点施策
同資料の中では、
医療・介護サービスの提供がトップ。島外との公共交通、農林業振興、結婚・出産・子育て支援も重視。
と記載されています。私もその通りではないかと思います。
全体の図としては下記のように示されています。
市民生活に身近な分野として
- 質の高い医療・介護サービスの提供
- 島外との交通環境の充実
- 結婚・出産・子育て支援
が上がる一方で、あまり身近ではない下記項目は重要度が低い結果となっています。
- 人権・男女共同参画の推進
- 経営的視点を持った行政運営
- 持続可能な財政運営
まとめ
最近では物価高で野菜たちの値段が高騰し、島暮らしのハードルが高くなったように感じています。
高齢者にとっては、住み続けたい(或いは住み続けるしかない)島ではあるもの、公共交通や医療サービスの面で、島を離れざるを得ない状況も想定されます。そして若年層は比較的転出意欲が高く、無理やり若者を地元に留めておくことが良い事ではないと考えます。
仕事の面も含め、若い人が住み続けたいと思える環境の充実が進むと、人口減少対策の観点からも良い影響があると考えられます。