五島市の市議会では、議事録が閲覧可能になるまでに、数か月かかります。
そこで、議事メモを残しています。
※内容は正式な議事録ではないため、発話の全てを反映しておらず、必ずしも正確でない箇所もあります。
日時 2024/3/4 14:15ー
目次
次期市長選について
出馬の意向と任期中の総括について
片峰 長崎新聞で不出馬と掲載されて拍子抜けた。改めて質問したい。野口市長は3期12年。リーダーとして引っ張ってきたが、人口減少対策の社会増の達成、入り込み客数25万人超えであったり、ジオパークなど、行動力と人脈を活かして実績を上げたことに敬意を表する。五島市には山積みの課題が多いことも事実。意向と総括を。
市長 時期市長選挙、H24年に出馬した時、10年やりたいと思っていた。4期目をどうするか、熟慮を重ねた。県内では大石知事をはじめ、市長や町長の世代交代が進んでいる。地域間競争が激しくなる中で、世代交代が必要と考え、志を同じくする若い世代に託したいと思っている。今季で退任すると決意した。H24年9月、結集をスローガンに掲げて市長に就任。
人口減少対策に積極的に取り組んでいった。世界中で大きな混乱が生じた。重症化リスクが高まることから感染防止対策に努めた。観光客が激減して大きなダメージを受けた。コロナ対策を実施しながら、ふるさと五島を守るをスローガンに掲げた。二時離島を先行した集団接種などスムーズに実施できるようにした。
財政面では合併算定替えにより、地方交付税が30億円削減されることになっていた。働きかけを行い、20億円を復活。大きく寄与した。農林水産業では、燃油高騰対策として、本土への輸送コストもH25から支援を開始して、28品目に拡大。生産基盤の強化・雇用創出に取り組んできた。R2からごとうの椿プロジェクトが開始された。マグロ養殖も一大拠点に成長した。上五島、ビーイングDC、雇用機会拡充を実施して、231件の事業を支援して雇用を獲得。再エネはH28に浮体式設備が初めて実用化され、国内で初めてウィンドファーム実現に向けて動いている。奈留瀬戸沖でも潮流発電が進んでいる。キリスト教禁教機の歴史が世界文化遺産に登録された。地層や生態系がジオパークに認定されて3冠を達成した。観光客も25万人を突破。H29年と同等になっている。五島つばきホテル・カラリト・Rayがオープン。修学旅行も誘致して、5332名の修学旅行生を受け入れている。
UIターンはH30に地域創造課を設置して対応した結果、H30から200名を超えている。R2年4月に日本語学校が創設。貴重な人材確保に繋がっている。地域ミニデイは41ヶ所。780人の見守りの場となっている。交通空白地区の解消のために、ちょいそこ五島を富江に導入。新たな移動手段として活用されている。ゴミ焼却施設を整備した。大浜の住民にはご迷惑をおかけしたが、最終的には協力していただいている。災害対策拠点として支所庁舎の建て替えを行なった。他市世帯の保育料の軽減、医療費の助成などを行なった。小学生からのプロジェクトGを国に先駆けて実施。島留学制度を開始。県と連携して高校の魅力化に取り組んでいる。岐宿小学校の改築を実施して耐震化100%を実施。複式学級の学校が増える中で、小中学校の統合も進めた。辛い決断ではあったが、保護者・地域の皆様のご協力を頂き、11校の閉校。図書館は多くの人に来てもらっている。新たな学びの場となっている。
人口減少対策に取り組んだ結果、社会増を達成。市議会をはじめ、国・県の力を結集した成果だと思っている。谷川衆議院議員・金子参議院議員には多大なる尽力をしていただいた。何よりも職員の方のお陰で尽力することができた。退任後も五島市に住み、五島市民として発展を願いたいと考えている。
片峰 議員になって16年目になる。中尾市長のもとで4年。1月末までは、出ないという言葉はなかったと思う。突然の不出馬で残念に思っている。市長のリーダーシップが1番だが、まだ半年あるのでしっかりやっていただきたい。壇上で言ったが、まだまだ色々な課題が残っている。市長の考えは。
市長 有人国境離島法の改正が残っているので延長させたい。谷川議員がいない中での改正を心配するが、関係する市町村と手を合わせながらやりたい。人材不足・看護師・介護士が不足している。ドライバー不足で市民の足が不足している。少子化対策も合わせてやりたい。東京一極集中がある中で、熊本にTSMCの進出もあり、熊本にも流れがある。九州管内の所得も上がり雇用の場も増える。東京・福岡の人口が吸い付ける力が熊本にも増えて、若い労働力が増えることも危惧している。給与・賃金上昇と合わせて子育てがしやすい事業所になっていただきたい。それが自然減対策になる。ゼロカーボンに向けた取り組み、EEZを把握しながら中心地となるように対策が必要と思う。医療体制・五島中央病院の病床数削減の提案もあり、ドクター確保、カネミ油症被害者への救済もある。夜も眠れないくらいの課題が沢山あるが今日はこのへんでやめておきたい。
今後の五島市の課題と対策について
市内事業所における人材不足対策について
片峰 人材不足・人口減の勾配をいかに緩やかにしていけるかが課題と思う。人材不足に関してどのような対策を。
市長 全国的な流れになっており、1.4で求人倍率は推移している。リクルートと協定を結び実績が上がってきている。ノウハウを活用して事業者の採用力を向上させたい。ハローワーク、振興局と連携して企業説明会、五島で働こう、大学、専門学校への働きかけをしている。新年度はインターンシップの旅費を支援し、本定例会に予算を上程する。
片峰 外からどれだけ人材を引っ張って来れるかが課題。ますます高齢化が進み介護職員不足が更に深刻化するが、事業者独自の取り組みだけでなく、行政的な対策は。
福祉保健部長 30人が就労している状況。ケアマネの補助では90名が補助金を支給して防止している。ケアマネ新規取得も支援している。刈り上げ支援事業として、法人に月額3万円を上限に支援している。その他、ノーリフティングで環境改善、フォーラムを実施して述べ140名の参加を頂き理解促進を図った。島内外からの介護人材確保に努めたい。
片峰 事業の縮小など苦労している。介護に特化した専門校の誘致が検討できないか。卒業後5年間は市内事業所で働けば免除などつければ、ある程度の人材不足に対応できるのでは。
市長 日本語学校運営の法人は、宮崎では色々な経営をしている。日本語学校が軌道に乗ったら作っていただけないかとお話をした。島内の生徒の意向に関して、R5の1月にアンケートを実施した。481名のうち、わずか11名が介護の学校に行きたいとのこと。1年生のコース定員20名の話があり、これを30人、40人という規模拡大していく中で、日本人も、と言うことで思ったりしている。
福祉保健部長 R6から養成施設に修学する事業所に支援事業を開始。専門職として雇用する場合、4分の3を支援する。市が補助する場合、3年間以上の就労が必要。現時点では4ー6の応募があっている。人材確保が期待できるので、利用促進を図る。
片峰 外国人は真面目に働き評判が良いとのこと。島外からいかに呼べるかも大事と思う。介護だけでなく農業・水産業・建設業まで人材不足。働き手がいなければ企業誘致もままならない。あらゆる手段を使って検討していただきたい。航路航空路運賃の低廉化もコロナ前に戻りつつあるが、交流人口も伸び悩んでいるのも現状ではないかと。
航路・航空路運賃低廉化について
片峰 日頃から交流人口は五島市の人口の一部と訴えてきたが、運賃の壁を解決しないと目標の30万人は厳しいと思う。墓参りで帰省したいが中々来れないとよく聞く。島民は半額近くで助かるが、離島新法の中に、一般の方も同額、段階的な低廉価が出来ないか、足がかりでも作って頂きたい。
市長 航路・航空路運賃の低廉化については、JR・飛行機で引き下げが行われた。法律ができて予算が確保されるまでは皆安くなると思っていたが、予算の壁で許されないと。準住民という事で、国境離島の生徒が専門学校に進学すると。最近は介護も対象に、じわじわ拡大されている。帰省する人の料金が高いと。航路を見ると8月は落ちている。帰省となると家族・三人四人となると落ちる。対象拡大は大事な懸案と思う。しっかりと要望したい。
片峰 往復の場合は非常に金がかかる。家族となれば更にかかる。高いから車で来るという方が多いと思うのでぜひ実現してほしい。
畜産業振興について
畜産業の現状と今後の課題、対策について
片峰 クラスターの効果もあり、繁殖が5000頭まで伸びているが、各農家は非常に厳しい経営を強いられている。廃業する農家も出てくるが、現状と課題対策は。
産業振興部長 R4度末で繁殖5000頭、出荷が約3600頭。生産基盤の強化が必要と考える。畜産クラスターが大事と考える。
片峰 10ヶ月の繁殖農家がほとんど。肥育育成は。
産業振興部長 専業はJAのみ。2件が一貫経営を考えており、予算を計上している。今回の2件の農家が、今後の五島市のモデルになるのでは。国・県の制度を周知したい。
肥育農家の育成について
五島牛ブランドのさらなる発展について
片峰 10年前に登録商標を受けたが、長崎和牛に押されているように思う。
産業振興部長 H25に地域団体商標登録が行われている。物産展・商談会が行われているが、五島牛のブランド力強化のため、再調整をしていく。連携を強化しながらPRを行い、ブランド力の強化がしたい。
片峰 同時にする必要があると思う。滋賀県近江八幡市の繁殖一環経営の視察に行った。繁殖牛・肥育牛を合わせて100頭規模を肥育。36ヶ月で500kg前後の牛を作っているとのこと。滋賀県内・東京都内にも卸していると。今まさに五島の畜産は危機だと思う。肥育牛の増頭も必要と思うが考えは。
産業振興部長 JAは600頭。枝肉出荷が400頭。ブランド強化のためには出荷を増やす必要があると思う。肥育参入は大変期待している。
片峰 ふるさと納税全国24位。51億。8割が近江牛関係の寄付。五島市は6億。五島牛が5900万円。宮崎がトップで190億。ふるさと納税を伸ばそうではなく、五島牛がブランドを強化すると需要が増える。ふるさと納税にも繋がる。食は現地で食べるのが1番である。そういった意味でブランド強化の効果は計り知れないと思う。JAと手を取りあいながらやっていただきたい。
ここ数年農家は厳しい。軌道にのればある程度やりやすいという話だった。R3年、4年はお金が入って来ないが、何らかの支援はできないか。
産業振興部長 ハード整備は畜産クラスターが利用可能。ソフト麺は肥育もとうし生産事業、標準的販売価格が下回った場合に、肥育経営版セーフティーネット、交付金制度がある。参入希望者への支援は既存制度を最大限活用したい。
片峰 肥育牛が増えることを期待している。八幡市は色々な補助があり、改築に対しても上限100万などがある。参考にして肥育農家を増やして欲しい。
市有財産の管理について
玉之浦大橋の改修計画について
片峰 橋の中央からは外海、内海が見える重要な橋。30年が経過して欄干の腐食が激しく大変危険な状況だが、現在の状況は。
玉之浦支所長 歩道側、車道側に欄干があり全体的に腐食が進んでいる。欄干パネルが数箇所外れて応急処置をしている。ガードレールも腐食が進み危険な状況。
片峰 10年以上前からの話。昨年6月に県の担当者、市の担当者で観に行ったが、方針が見えてこない。潮の流れが早く危険だが、改修しないのか。
建設管理部長 長崎県に確認したところ、本年度より着手して調査設計をしている。結果により、欄干の更新、橋桁の補修を行うと聞いている。
片峰 全体をやっていただけるのか、壊れた部分だけをするのか。
建設管理部長 まず調査して、鹿の模様・費用面も考えていきたい。全体的になるかもしれない。
片峰 全体をやらないと次から次へとデザインされている。シカのデザインは、島山島の方に鹿が向かっている。鹿が外に出ないようにと、何の効果もない。
道路や施設の管理状況は
片峰 管理点検はどのようにやっているのか、
建設管理部長 建設課、往来時に目視の点検をしている。主要な点検をしている。平成26年度から点検が義務付けられており、詳細な点検を職員直営で実施している。
片峰 数が相当あるので、毎年点検を行い、費用を最小限に抑えることができる。市長の任期はあと半年、精一杯努力していただき、次どなたになるかわからないが最高の状態でタスキを渡してほしいが一言。
市長 1月末までは自分の気持ちを明かさずに、市民にも議員にもえっという思いがあるかもしれないが、4年間は今後真剣に考えてきた。3期12年をもって職を辞する決断をした。市議会・国会・職員も含めて協力していただいてこれまでの成果がある。6月には改めてお礼の言葉を思っているが、最高速度で襷が渡せるようにしたい。
片峰