2022年6月/五島市市議会臨時議会の予算案を解説

2022年6月6日、五島市議会臨時議会が開催されます。

本日はその経緯と中身のご紹介です。

(そもそも)なぜ臨時議会?

なぜ臨時議会を招集するのか、6月開会予定の通常議会と合わせて行えば良いのでは?

と思います。本日委員会で質問した限りでは、

税の徴収など、早急に法改正に基づく執行をしないと不正確な事務処理が生じるから

だと読み取れました。

新型コロナが発生してから、いわゆる専決処分で済ませてきたのですが、3月議会で草野議員が「臨時議会が少ない」と指摘されたことも影響しているのではないかと推察されます。

(専決処分とは、時間的に議会の招集を待てない緊急な場合などに、行政運営の遅れや滞りを防ぐため、例外的に市長が議会の議決に代わり意思決定することです)

臨時議会の主な項目は?

市民生活に影響を与える国からの補正予算について、解説していきます。

臨時で交付される予算

事業名と予算額は以下の通りです。

予算名 予算額(千円)
低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金給付事業 45,350
子育て応援臨時特別給付金給付事業(市独自) 240,692
住民税非課税世帯等臨時特別給付金支給事業 74200

低所得の子育て世帯に対する子育て世帯生活支援特別給付金給付事業

子育て応援臨時特別給付金給付事業

住民税非課税世帯等臨時特別給付金支給事業

分かりやすく図にまとめると

中々理解するのが大変ですが、まとめると、こういう事になるかと思います。

筆者の理解

給付金の扱いは、大きく5つのパターンが生まれます。

①住民税非課税×低所得世帯×子育て世帯(2人)の場合:

10万 + 5万×2 + 5万×2 + =30万

②低所得世帯×子育て世帯(2人)の場合:

5万×2 + 5万×2=20万

➂低所得ではない世帯×子育て世帯(2人)の場合:

5万×2 =10万

④低所得世帯×非子育て世帯の場合:

10万

➄低所得でなく、非子育て世帯の場合:

該当しないため、0円

臨時議会での予算案に対して

今回の臨時予算は、子育て世帯にとっては非常に手厚い措置ですが、非子育て世帯にとっては殆ど恩恵がない予算配分です。

ウクライナ情勢で物価が上昇し、家計が急変した事から、早急な予算執行が求められている事は理解できます。

3月議会では、私も「市民生活を下支えすに予算を使うべき」と述べていたので、予算を使う方向性は評価できます

ただ気になるのは、ちょっと子育て世帯に偏り過ぎていないだろうか?という事です。

例えば東彼杵町のように、物価高に苦しむ全ての町民に対して5千円の地域振興券を配る方法も可能です。

予算的には、五島市で2億4千万円あれば、1人あたり6762円分の商品券配布が可能です。

勿論、限られた時間の中で完全な公平性を期するのは難しいですが、

「子育て世帯(17%)」と「非子育て世帯(83%)」への濃淡が分かれてしまっているようにも感じられます。

五島市全体にとって、今回の2億4千万円は最善なお金の使い道と言えるでしょうか???

勿論正解はありませんが、どういった意思決定のプロセスだったのかについては、臨時議会でも質問していきたいと思います。