長崎県議会では、議事録が閲覧可能になるまでに、時間がかかります。
そこで、議事メモを残しています。
※内容は正式な議事録ではないため、発話の全てを反映しておらず、必ずしも正確でない箇所もあります。
1.知事の政治姿勢
(1)子育て政策、人口減少対策について
中村.選挙戦で掲げた子育て政策は6月分に含まれていない。公約の進捗は。
知事.子供を産み育てやすい環境づくりをしたく、直ちに実行可能なモノを盛り込み、速やかに進めていく。市町と意思疎通、連携が大事であるため、協議に向けて県が実施する事業を検討していく。
中村.公約が中々具体的な進捗がないように感じた。スケジュールと予算確保の見通しは。
知事.国は経済財政と改革の中で出産一時金を含めて経済負担軽減を議論している。国の動向を注視し、県の考えを議論している。市町との協議に早期に入りたいと考えている。
中村.予算やスケジュールの準備をしていると感じた。スピード感を感じる事は難しいが、確実に進めていくという理解で正しいか。
知事.子育て支援はぜひ実現したい。事業主体となる市町との意思疎通を丁寧に行い早期に実施したい。
中村.焦らず丁寧にやってほしいが、全体を見ながらリソース調整をしてほしい。新しい視点や発想とは何か。資料を見ても何が新しいのか理解しがたい。資料の施策を見ても、前知事の良い政策の継承に見えるが間違いないか。
知事.引き続き人口減少対策に全力で取り組みたい。UIターン、就職促進はしっかりと継承しながら強化を図っていきたい。自然減は拡大傾向にあり、子育て支援策の強化、これまで以上に重点的に取り組む。若者、女性がやりがいを感じられるように社会減、自然減に取り組んでいきたい。
中村.継承していくものは継承していくと受け取っている。全国最年少の知事は、自然減対策を求める県民の意思だと思う。日本全土にアピールしてほしい。AIドリルの導入について、学校外の自主的な学びの場の確保をしてほしいと要望。保護者の協力や理解を得るための取り組みは。
教育長.離島、モデル校でAIドリルで自主的な学習により学力向上を図っていく。PTA関係者も加わり、保護者の視点からのアドバイスを頂く。学校や保護者に広く周知したい。
中村.AIドリルを導入する費用は既存と変わらない。保護者負担で普及を加速すべきと考えている。既に18市町で導入されているが、発展途上のモノである。県が主体となって推進すべきだが市町との連携は。
教育長.GIGAスクールサイトでAIドリル活用の実践事例、先進事例を掲載して活用してもらっている。全市町の教育委員会の推進会議で効果的な活用をテーマとして取り上げて情報交換を進めていきたい。
中村.ビッグデータを活用できれば効率的な運用に繋がる。国とも連携を。
(2)令和4年3月23日の佐賀県山口知事との対談について
中村.九州新幹線について、これまでの経緯を説明し、山口知事は今までの長崎県が豹変したと述べ、関係性が悪化した。しかし当時は、FGトレインの直通を実現するために、全線フル規格を求める声が大きくなった。当時は県としてもフル規格を示して議論が出来る環境だったため、豹変したわけではないと思っている。本県の考えをしっかり伝えていくべきだがどう取り組んでいくか。
知事.西九州ルートによる交流人口拡大が必要。フル規格が重要であると考えているが、佐賀県の理解が不可欠。就任のあいさつで会談し、佐賀の課題を解決し、知恵を絞っていきたいと述べた。まずは佐賀と率直に話し合えることが重要。それぞれの考えを述べながら議論を深めていきたい。
中村.是非密にコミュニケーションを取って理解を得てほしい。
(3)知事の厚生労働省の経歴とコロナとたたかう医療専門家としての公約について
中村.前三月議会では、千葉大学への出向について、厚生労働省の国家公務員として勤務したと述べている。最初から帰ってくると決まっていたと思った。改めて、厚生労働省には千葉大学から出向したのか。
知事.千葉大学は退職し、R2に辞令を受けて入省している。
中村.出向をしたのか。改めて。
知事.出向ではなく退職して入省した。
中村.退職金は厚生労働省から得たのか。
知事.退職金は退職時に在職していた日本医療開発機構から支給された。
中村.コロナと戦う専門家としてアピールとして選挙を制したが、今は現在より緊迫感は下がっている。有事の際の対応を想定して県独自の対応は。
知事.コロナの完全な終息は現実的ではない。共生を図る必要があると考えている。感染対策はもとより、身近な診療機関で受診できる環境を整え、重症化リスクの高い人は対策を強化したい。医療機関を増やしつつ地図上で共有。平時から院内の感染症に対する専門チームの構築、人材育成をしている。医師会と協力し医療圏ごとにリスト化。クラスター発生時に対応する機関にリハビリ体制を強化。後遺症の対応についても役割分担。関係団体と連携を深め、ご協力ご支援を頂き、コロナ対策に力を注いでいきたい。
中村.県独自の対策と言われていたが、医師会とのパイプを活かされているという事で、是非とも有事の際をお願い。
(4)知事選挙での公職選挙法に関する県民団体の動きについて
中村.稀に見る僅差で選挙を制した知事。その後の公職選挙法違反の動きについて、3つの民報で報道されSNSでも発信されている。東京のコンサル会社に対して電話代402万円を支払ったと報道されている。収支報告書にも記載されている。全国の方からのコメントを見れるようになっている。大変憂いているが、長崎県は大丈夫だと仰っていただき、安心させて頂きたい。22日から参議院選挙が始まるので、ザックジャパンについてHPを確認した。
1,ザックジャパンの代表(大濱崎氏)を選挙コンサルに起用して運動を行わせたか。
2,電話代として支払われた402万円は何のための費用か。
知事.適切に選挙運動をした事をいう事だったが、公職選挙法に基づいて選挙をしたと考えている。
1,普段から話をする取引先。選挙運動で費用は発生するモノではなく報告書に乗っているモノが全て。
2,オートコールなどの通信費でありコンサル料金は含まれていない。
中村.大濱崎氏については、選挙運動を行っていないと理解した。ザックジャパンへの402万円は全額オートコールと理解。コンサル費用は入っていないという事で正しいか。
知事.選挙費用報告書以外の報酬が発生している事実はない。コンサル料は含まれていない。
中村.知事を信じて良いと感じた。今回の件は適正であり問題ないと改めてメッセージを。
知事.改めて、公職選挙法に則り、適切に選挙を行ったと考えている。引き続き新しい長崎県作りに全力で臨みたい。
2.産業振興
(1)長崎県成長産業ネクストステージ投資促進事業について
中村.2年経過したが、新たな事業展開が出来ると感謝の声がある。事業の成果は。
産業労働部長.経済と雇用を下支えするための37億円を計上し194件を採択した。300人を超える雇用や320億円の県内発注などの成果が出ている。
中村.事業効果が高い政策だったと喜んでいる。これから期待が出来る、頑張る意欲が出たとの声もある。
中村.製造業全体に対する柔軟性の高い予算が求められるが知事の考えは。
知事.造船業の不振に加え、製造業の下支えを目的に実施したモノであり一定の効果があったと認識。県の自主財源では難しいが雇用や経済の状況を見ながら検討していきたい。
中村.結果が見えた施策であり期待している。
(2)カーボンニュートラル関連産業
中村.県内には石炭火力が集積しており不安を感じている事業者も多い。石炭火力の高効率化についてどう考えるか。
産業振興部長.重要な電力供給拠点として役立っている。安定供給に向けた効率化、低炭素化が必要であり支援を要望してきた。県内企業の技術を活用した経済への波及も期待している。
中村.IGCCが松島で導入される可能性があり、産業振興に重要。ガス価格は高騰されると予測されIGCCに期待が高まる。
45GWを洋上風力で果たすとして案件形成に取り組んでいる。西海市では事業者決定待ち。国内各地で商用化の動きがある。参入促進に県はどう取り組むのか。
産業振興部長.専門人材の育成、技術革新に取り組んできた。西海市も促進区域に向けた手続きが進んでおり、働きかけをしている。市場拡大が見込まれるため、取引拡大に繋がる予算を提案している。
中村.今後経済効果を最大限高める事が大事。県としてもバックアップをして頂きたい。洋上風力は地元海域において県内の産業振興にとって重要。400MWは全国的に大きな規模で感謝している。離島での事業に取り組んでいるが、地元でウィンドウファームが出来ればと思うが、日本では規模が小さい。国とも連携し浮体式の技術を高め、難しいと思うがお願いしたい。西海市沖は防衛の面で重要な位置であるため、国と連携してほしい。
カーボンニュートラルポートの(パネル提示)水素、アンモニアの受け入れ環境の整備、脱炭素化に配慮したポートの形成。イメージ図によると、運搬船が長崎で作れるのではないか。既存の産業が生まれ変わる可能性がある。他県は既に検討会が進んでいるが長崎でも始められないか。
土木部長.港湾機能の高度化、産業拠点からのCO2削減を目指す取り組み。発電所や製鉄所がある港湾において、国が検討会を設置して方向性が示された。本県としても港湾の脱炭素化は重要であるため、検討会を設置するなど進めていく。
中村.佐世保市は勉強会を始めるとの事。イメージ図にある長崎県の技術は有益であると仰っているので国との連携を。
(3)水産業の販路拡大戦略と資源管理を見据えた水産DX
中村.国内の需要が減少する中、輸出の拡大は重要。地域別にどのような取り組みをするか。
水産部長.中国では現地PT企業と連携し販促強化する。米国は養殖魚の拡大を図るため生産地の強化、販路拡大。EUは衛生基準が厳しく、HACCPによる輸出取り組みを支援。輸出先国に合わせた後押しに務める。
中村.加工業の視点が抜けていると感じたので尋ねた。輸出拡大にはパートナーとの連携も必要だが水産加工業の強化が必要。
水産部長.輸出先国における需要形態を踏まえた輸出が必要。市場調査、試験輸出、改良を支援する。加工施設の整備が必要な場合は国の支援を活用した支援を検討。
中村.事業者単体で出来ない事もある。加工の支援が欲しいとの声が多いので支援をお願いします。資源管理が重要となるが、TAC魚種管理などが必要でありデジタル化が必要。漁業情報をデジタル化したシステムが必要。入り口から出口までの水産DXについては
水産部長.生産現場に負担をかけずに魚種別データを収集するため、国事業を活用し、既存システムの改修を進めている。資源管理に重要なデジタル化については研究して参りたい。
中村.入口から出口まで開発する企業が既に存在するので更なる連携を。
(4)長崎大学と連携した医療関連産業の企業誘致
中村.ワクチンの開発に取り組んできた長崎大学の先生を紹介した。研究開発資材の供給がストップして開発が進まないとの事。長崎大学では不足リスク回避のため、関連企業の誘致が必要と考えるがどうか。
知事.共有体制を整える事は重要。波及効果が大きい企業を対象として進めている。ソフト開発企業などが進出し、BSL法に実績のある企業も進出を決定している。県内の関係機関と連携して誘致に力を入れていきたい。
中村.大石知事の真骨頂だと思うのでよろしくお願い致します。田中先生の研究分野を推進していたのが大石知事だと感じる。
3.デザイン性・デザイン思考を取り入れた広報戦略
(1)部局横断的にデザイン思考を取り入れた「さがデザイン」について
中村.一次産業の水産業は体力的にきつく稼げないイメージがある。フィッシャーマンジャパンではカッコよさを持ち味に魅力を伝える取り組みをしている。ながさき漁業伝習所でのHPやデザインの作り方は。
水産部長.相談窓口としてH28から情報発信、相談を行っている。HPはUIターンの他、若い漁業者の暮らしなど職員が収集し常時発信している。水産業を目指す若者の漫画も活用した。
中村.ガイドブックを見て印象深かった。長期的なイメージアップの醸成も必要。デザインは素人では厳しいと思っている。デザイン思考を分野横断的に実践する事が大事。佐賀県ではクリエイターが伴走し事業計画を推進している。部局横断的に様々な分野に関わっている。長崎県も常にデザインを通すフィルターが必要と思うがどうか。
企画部長.課題の本質を見極めるデザイン思考を取り入れるデザイン思考は大事だと考える。民間のデザイン会議を設けたところ。健康長寿に関わる取り組み、運営など新たな視点を活かしてきている。今後はより効果的な発信に努めていきたい。
中村.県も取り組んでいこうとしていると思っているのでぜひともよろしくお願いします。ワクワク感を抱いてもらう取り組みが必要と思うが知事はどうか。
知事.情報発信における高いデザイン性が必要と考えている。私も選ばれる長崎づくりのためにはデザインの力が必要と考えている。県庁横断的な情報発信の仕方が大事と考えている。
中村.佐賀デザインを体験したと思うが、全国的に活躍している人が多い。九州アートディレクターズクラブも組織されており、デザイン思考は有意義であると考えている。
4.県内発注(委託料)の部局横断比較
(1)前回調査(H29)からの推移に関する考察と県内発注率を高める取り組み
中村.(表提示)1千万円以上の推移を示している。件数、金額ともに減少している。土木部も減少している。推移についての考察と発注を高める取り組みは。
土木部長.県内企業では対応が難しい案件は県外企業に頼らざるを得ない。受注金額の割合は2%減少しているが、その年の難易度の多寡により変化する。県外企業から県内企業への技術移転を狙ったJV方式を進めている。高度分類の一部を県内企業に発注している。引き続き技術力の向上を促していく。
中村.県内技術の向上が大事と考えるので、発注率を高める取り組みをお願いします。最後に、維新の会の松井氏が「核のタブーなき議論が必要」と述べた。今も核廃絶に向けて戦っている人がいる中で、到底容認できない。大石知事は維新の会の考えに抗議できないか。
知事.平和を尊ぶ長崎県知事として、そういった意見を表明して考えを共有した上で核なき世界を実現できるようにしていきたい。
中村.長崎の先頭に立ち尽力して頂きたい。