ミクロな問題=人口減少
五島市では「人口減少」という「ミクロな問題」を市政の最優先課題として取り組んでいます。
しかし、この「ミクロな問題」を解決しようとしても、焼け石に水であり、大きな流れとして人口減少を止める事は困難です。
いつの時代も、短期的な視点に捕らわれるのは、持続的ではありません。
実際、五島市の社会減には幾分の緩和が見られますが、全体としての人口減少には歯止めがかかっていません。
さらに、人口減少は全国共通の問題であるため、短期的にこれを解決しようとする(移住促進)ことは、他の自治体の「ミクロな問題」を深刻化させます。
五島市はこのまま、短期的で持続性のない目標を掲げ、他の町や村から人を奪う発想の政策を続けていて良いのでしょうか?
マクロな問題=環境・エネルギー問題
私たちにとってより深刻なのは、環境汚染や自然災害の頻発という「マクロな問題」です。
これは全世界共通の課題であり、水産資源が豊富な五島市にとっても同様に深刻な問題です。
五島市としては、こうした「マクロな問題」を改善する方向性を示すことが大事だと感じます。
自然災害の多い島で、いかにエネルギーを自給していくのか?
次世代の子孫たちに、いかに持続可能な社会を残していくか?
価値観が多様化する世界で、いかに生きやすい社会を構築するか?
そうした観点から、小さな自治体が旗印を掲げて実行していくべきことは沢山あります。
五島市では現在、「海洋エネルギーの島づくり」を謳い文句に、洋上風力発電の整備を推進していますが、発電だけでは片手落ちです。
自然エネルギーをどのように活用していくのか、市のスタンスと方向性が必要です。
私たちが目指すべきは、定住人口や移住者数、観光客数といった
「目先の小さな数値目標」
ではなく、
「数十年先を見据えたより良い社会」
です。そのためには、財源的に多くの部分をお世話になっている「県や国」だけでなく、他の市町村や海外・民間の活動家との連携が必要です。
こうした「新しいパートナー」と連携を進めるためには、「マクロな問題」に対する旗印が必要ですし、現在以上に積極的な情報発信・行動が求められます。