長崎県五島市の参議院選挙の分析

参議院選挙

令和元年7月21日に投開票された五島市選挙の結果です。(五島市HPより)

選挙区では、古賀氏が当選しました。

速報時刻 21時10分 22時26分
 開票率 51.98% 100.00%
古賀 友一郎  4,000 8,506
白川 鮎美 4,000 6,747
神谷 幸太郎 500 544

ーーー

開票率 100.00%
速報時刻 確定 7月22日1時32分
日本共産党 1,111
自由民主党 5,092
オリーブの木 53
社会民主党 250
公明党 945
国民民主党 845
日本維新の会 514
幸福実現党 40
立憲民主党 1,137
労働の解放をめざす労働者党 14
NHKから国民を守る党 224
安楽死制度を考える会 31
れいわ新選組 145

本日は、この結果の分析です。

低迷する投票率

長崎新聞によると、五島地区の有権者数は31,963人、投票率は51%です。

県議選挙との比較

県議選挙(4月) 参議院選挙 差分
65% 51% 14%

ちなみに、時事通信によると、

参院選の選挙区の投票率は48.80%となった。

とあり、全国とほぼ同じ水準となっています。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2019072100248&g=pol

期日前を含む投票期間は長かったですが、五島市地区では目立った選挙運動も行われず、盛り上がりは欠けていたという印象です。

県議選挙から下がった投票率を、ひとまず「国政への距離感」と呼んでおきます。

自民党の選挙区と比例区の差

今回気になる点としては、「自民党票」です。

選挙区 比例区 差分
8,506 5,092 3,414

県議会選挙時の自民党候補への投票数が10,056でしたので、これが「国政への距離感」で減少した分(15%)を計算をすると、8,535となり、ほぼ上記の「選挙区」と同じ数になります。

しかし、比例区になると、選挙区では入れていたはずの人たちの40%に当たる3,414人が、比例区の「自民党」に票を投じていません。

自民党の勢力から見たら、一種の背信行為です。

選挙区では自民党候補に投票し、比例区では自民党以外に投票する人の心理としては、

義務(選挙区)は果たしたので、あとは本音(比例)で。

という感じでしょうか。

比例区の構図

比例区については、以下の通りです。

  票数 獲得率
自民 5,092 49%
公明 945 9%
その他 4,364 42%
合計 10,401 100%

自民+公明以外の票数がいわゆる「与党への支持票」だと取れますが、その数をみると、いわゆる「野党」への票数を上回っています。

僅差ではありますが、五島では政党への支持として、投票者の数でみると

与党勢力 > 野党勢力

であることが分かります。ただ、特筆すべきなのは、与党+野党を超えた勢力として、「無投票層」があります。

最大勢力は無投票層

今回、選挙区へ投票した人のうち、白票と無効票を「非投票者」として考えると、

  人数
投票者数 15,797 49.8%
非投票者数 15,896 50.2%

となるため、最大勢力は「候補を選ばなかった人」です。

県議会選挙の時も同じでしたが、当選した人の獲得票よりも、投票しなかった人たちの票の方が多い、という構図が続いています。

https://nakanishidaisuke.com/2019/04/08/yamadashi/

今回は、それを上回る、「投票者の総数」よりも「非投票者数の総数」の方が多くなっています。

地元の選挙(首長選挙+市議選挙)では、この部分の開拓が鍵となりそうです。