令和の改革シリーズ第三弾です。
今回は、経済がテーマです。
まずは、経済に関する島の事情をご説明します。
「穴の空いたバケツ」経済
五島の経済は、お金が島外に流出する構造で、「穴の空いたバケツ」に例えられます。
島内では大手のチェーンが幅を利かせ、
- 大手コンビニ、小売店、100円ショップ
- 大型薬局・ドラッグストア
という「安くて品ぞろえの豊富な小売店」が消費の需要を満たしているため、経済的には脆弱な構造となっています。
小売りだけでなく、エネルギー面でも流出構造です。
島の暮らしに欠かせないガソリンは島内で自給できないので、島外から仕入れ、本土よりも20円~30円ほど高い値段で売られています。
五島は「再生可能エネルギーのしまづくり」を謳っていますが、2019年の6月から、小売販売の会社が営業を開始します。
https://nakanishidaisuke.com/2018/04/19/brand/
島からのお金流出を加速させたのは、H29年に施行された国境離島新法の運賃低廉化です。
これにより、大都市へのアクセスは便利になりましたが、経済的なバケツの穴はさらに広がりました。
島民が従来よりも島外に出やすくなり、福岡や長崎での消費がしやすくなったからです。
問題は貨幣依存
島外への依存自体が悪いのではなく、
①貨幣に依存しないと回らない社会
でありながら、
②貨幣が溜まらず逃げていく構造にある
という事です。
この中で、①を変えていく取り組みが、「経済改革」です。
その方針としては、
地域で循環するお金の量を増やし、島外への流出を防ぐ
という事です。
具体的には、
- フードロスの削減(規格外で捨てられる農産物や魚のロス)
- 地域通貨の導入(五島列島の中でのみ使えるお金)
- シェアリングエコノミーの拡大(空き家・空き土地・空き船)
など、様々なアイデアが考えられます。
そうした新しい経済の構造を取り入れることによって、
お金をある程度稼がないと生きていけない社会
からの脱却も図れます。
令和時代の生活コスト
これからの時代の避けられない流れとして、
- 高齢化と人口減少に伴い空き家の数は増え続け
- AIの発達により食料の生産コストは益々下がり
- 生産~小売市場で廃棄される食料の量は増え続け
- ガソリン移動を必要としない、IT関係の仕事の数が増加
していきます。つまり、
生活コストを下げる余地
が十分に生まれるため、人がより幸せに暮らすためには、
誰もが働かなければいけない社会
から、
みんなが働かなくても暮らせる社会
への転換が求められます。
そうした社会構造への転換で必要なのは、都会と同じ条件で勝ち目のない競争を仕掛けて
雇用の確保!
を謳うのではなく、
月に5万あれば余裕で暮らせる島!
を目指す方が良いです。まとめると、
- 島外に資金が流出する「穴の空いたバケツ」を塞ぎ
- 島の中で経済が回る仕組みを導入し
- 市民の生活コストを限りなく0に近づける
これが令和の時代の島の経済改革です。