Maasってなんぞや?
昨日の話の続きです。
Massって呼ばれる大きな交通革命が、世界で流行りつつあります。
詳しくはググれば分かりますが、私なりの見解を紹介します。
従来、乗り物は「個人の所有物」でした。
車やバイク、自転車もそうです。
ところが昨今、ライドシェアに代表される「シェアエコ」の流れを受けて、乗り物はもっと公共のモノになって行きます。
現代での公共の乗り物と言え、ば電車やバスですが、そうした乗り物との違いは、
個人のニーズに動いている
という点です。電車やバスは基本的に、個人のニーズではなく、集団のニーズに即して動いています。
Maas社会が実現するために
五島列島の中で一番大きな福江島は、人口が3万人ほどいますが、電車がありません(その他の離島も同じ)。
そうした中で、自動車の保有率はおそらく日本一の地域ではないでしょうか。
https://nakanishidaisuke.com/2018/11/10/goto-trafic/
都会に住んでいれば、車を持つ意味は殆どありません。
しかし五島では、車に対する依存度が、日本でもかなり高い地域であるとも言えます。
そのうえ、社会の高齢化という問題も都心部に比べて早いです。
高齢ドライバーの割合も高く、一方では免許を返納することが「社会的な孤立」を意味します。
ここから言えるのは、
車社会であるが、社会構造の変化に適応できていない
という事です。五島、ピンチ。
Maasが島の社会を救う?
そうした中で救世主になるのが、Maasです。
公共交通としての車移動が一般的になれば、数多くのメリットがあります。
- 年間1億円以上の「バス会社」に対する補助(税金)が削れる
- 高齢者が安心して免許を返納できる
- 「日本版Mass」の先進的な事例として、全国から注目される
などです。もちろんそこには、
自動車保有の社会 → Maas社会
という移行に際して、様々なコストが生じるでしょう。
一番大きいのは、「あおりを食らう」既存事業者を、どのように説得するかです。
- 自動車の免許学校
- 自動車販売店
- タクシー業界、レンタカー業界
それだけではなく、Maasが社会に浸透するための下準備も必要です。
- 事故が起きたときの責任の問い方
- 自治体として推進していく上での条例の制定
- 地元住民に対する周知と合意形成
こうした事は、行政が主導となって、粘り強い交渉(国+県+地元)が必要です。
まとめ
五島列島は、物理的に海で本土と隔てられているため、超車依存の社会です。
しかし、3分の1が高齢者である五島では、「車社会」が持続可能ではないという構造的な問題を抱えています。
一方、世界に目を向けると、「所有から利用へ」という大きな潮流の変化が起こっており、この問題の解決策になります。
五島列島こそ、この「不可避な変化」と「世界の潮流」を踏まえて旗振り役となり、Maas社会の先駆者となるべきです。
それが大きなチャンスなのですから。