結婚って大事?
西日本新聞によると、韓国では、
13歳以上の男女約3万9千人を対象に結婚への意識調査をした結果、
結婚しなくてもパートナーと一緒に暮らせると考えている人が約56%に達し、2年に1度の調査で初めて半数を超えた
そうです。同じ記事によると、
韓国メディアは、結婚に消極的な意見が若い女性に多い点に着目。結婚による育児負担や、仕事への影響が女性の方が大きいことなども数値に反映されている
そうです。結婚に対する価値観が変化していますが、日本(特に田舎)では、いまだに「結婚して一人前」みたいな考え方が、高齢者の中で一般的です。
しかし今後は、「結婚というオワコンな仕組み」に対する重要性は、ますます下がっていくでしょう。
人口減少対策?
そうした中で、五島市では「結婚」→「定住」→「出産」→「人口減少対策」を奨励するために、お見合い大作戦が実施されました。
https://nakanishidaisuke.com/2018/01/15/rare-cara/
しかし別の記事でも書きましたが、「人口減少対策」ってよくわからない論理です。
考えてみれば、人間を一人養うのは、相当な社会的コストです。
子供が生まれてからは、養育や教育にお金がかかり、高齢になれば介護・医療という部分で負担が必要です。
それだけでなく、行政・防災・治安の確保といった「最低限度の生活保障」を行うためにも、これまた経費が掛かります。
特に日本は、世界でも最高水準のインフラ設備・治安を誇っていますので、外国人からしたら憧れの国です。
しかし、そうした「1人を養うための社会的コスト」を考えた場合、「1人が生涯でもたらす経済活動・納税」よりも高いはずです。
その観点からすると、人口が増えると国や地方公共団体は支出が多くなり、逆に人口減少で負担が少なくなれば、財政としては潤うはずです。
企業の経営として考えれば当然ですが、1人を養うだけの「人件費」は、とても高くつきます。天下の東芝さんでさえ、大幅な人員削減(5年間で7000人)を発表しています。
なぜ「人口減少」を喜ばないのか?
人口減少により、納税者の数が減るという面はありますが、同時に社会コストも減ります。
にもかかわらず、なぜ当事者である国や地方公共団体は、「人口減少」を喜ばず、逆に問題意識ばかりを煽るのでしょうか?
日本人がいなくなるから・・・
とかいう話はよく聞きますが、一番の原因は
人口減少=国力の低下
という誤ったイメージがあるからでしょう。しかし税収の問題と人口の問題はイコールではありません。
例えば、時価総額〇兆円の企業経営者が1人、毎年きちんと納税さえしてくれれば、その市町村は安泰です。
その意味でいえば、国家の財政的には人口減少は奨励すべきで、行政サービスや社会福祉は、より効率的に統合されるべきです。
市町村の合併も含め、今後は統廃合が加速しますが、そうした中でも未だに「人口減少対策」がテーマになっているのは、奇妙なものです。