取材の仕事で長崎に
MICEの取材で長崎に来ました。移住生活も1年を向かえ、若干離島生活にも食傷気味だったので、今回はとても良い機会でした。
何しろ離島で生活をしていると、いろんな意味で「島慣れ」しちゃいますからね。
島外に出て、何よりも嬉しいのは「つけ面」が食べれるということでしょうか。
今回は、「仕事で移動する」ということに関して、今回私が感じたことを書いておきます。
極論、移動する必要ない
当日の私の仕事は、
- イベント会場に行って写真を撮影し
- イベントで語られた内容を1000文字程度でまとめること
でした。私は一眼レフカメラを持参して会場に足を運び、ボイスレコーダーをセットして録音を開始しました。
そこで3時間程度、ずっと話を聴きながら印象的だった言葉をメモしていたのですが、ふと思いました。
私、わざわざ来る必要なくない・・・?
離島で生活をしていると、長崎で過ごすにはお金がかかります。
- 船代往復・・・4000円(島民割引)
- 宿泊費・・・4100円(カプセルホテル)
- 飲食代・・・4000円(ラーメン、夜に一杯、コンビニ)
まあそんな風に感じたので、「離島の人が本土で仕事をする」って、正社員だったら絶対無理だと思ったんですよね。
交通費がハンパないですから。
長崎の街は無駄なバスだらけ
今回長崎に来て、特に印象的なのは、道路のバスの多さですね。長崎バスを筆頭に、路面電車がひっきりなしに走っています。
しかも道行くバスの車内を観察してみると、乗車率はそれほど高くもないです。大体は空気を運んでいます。
「バスの乗車率」は、長崎も五島もさして変わらないのかな、と思います。(母体が一緒だからでしょうか?)
現在、多くの人は「通勤のため」にバスを利用しているのですが、本当に「その場に行かないと出来ない仕事」ってごくわずかだと思います。
- 事務や経理の仕事
- 顧客とのミーティング
- 社内での打ち合わせ
こういった仕事は、間違いなく在宅勤務でも可能です。そして徐々に「新しい働き方」として、浸透しつつあります。
この先のバス業界はどうなっていくのでしょう?
働く人が「仕事のために移動」しなくなるということに加えて、
- 人口減少でそもそもの人が減る
- ライドシェアが更に浸透する
という流れもあるため、乗車率の低い「定期ルート」を巡回する(経費の無駄)よりも、「オーダーメイド運行」が主流になっていきます。
「移動」の量が減る
それは仕事だけではありません。観光旅行をはじめとする、いわゆる「アミューズメント」にも同じことが言えます。
今回私は、教会の勉強のために長崎の「大浦天主堂」に行ったのですが、
- 移動に要した時間(市内から往復30分程度)
- 入館に要したお金(入館料は600円)
に見合った成果があったかというと、かなり疑問です。
ガイドをする上での学術的な背景は、文献を漁って整理したほうが効率的ですし、インターネットを閲覧すれば現場に行くよりも多くの情報が収集できます。
現在では、YouTubeによって視覚と音声の情報は世界中のどこからでも楽しむことが出来ます。
更に一歩進んで、VRの技術を使えば、より立体感のある世界を手触り込みで楽しむことができるようになるでしょう。
まとめ
今後の世界は、益々「移動する必要がない」世界になっていきます。それは仕事についても、余暇の過ごし方についても。
仕事については、「クラウドワークス」に代表される「場所と時間に縛られない」働き方が益々普及するでしょう。
また、現在都市生活で「移動」を担っているバス業界は、今後益々「新しいサービス」が浸透するため、経営が厳しくなっていきます。これはシェアリングエコノミーの台頭という世界的な潮流ですが、宿泊施設についても同様です。
余暇の楽しみについても、ライドシェアや仮想現実といった「新しい技術」の浸透により、「移動しない楽しみ方」が広がっていきます。
そう考えると、究極的には
「移動しなければ絶対出来ないことって何?」
という疑問に行き着きます。
移動しなければできないこと?
そうですね。今回の出張で感じたのは、「温泉はまだまだあったかいかな。」ということです。例えば
世界最高の温泉施設
が出現すれば、まだ今後10年くらいはやっていけると思います。
温泉で味わう充足感は、「裸の楽しみ」です。
それと同等のサービス感を擬似的に提供するには、技術的な問題に加えて、「人間の全体感」についての研究が必要となります。
将来的に、「脳だけ移植してハッピーを感じる」っていう世界になれば、身体の移動は完全に不要になりますけどね。