【平成以後の世界】土地と仕事の分離が加速される

平成以後の世界

「一つの仕事」×「一つの収入源」である会社員を辞めてから、スーパーマルチワーカーとして五島列島で仕事をしています。今回は、

  1. 昭和
  2. 平成
  3. それ以降

という時代軸を基にして、「仕事」と「土地」の関係性をざっくり紹介します。

昭和の仕事

離島山間部をはじめとする、「日本の田舎」は、都市部工業地帯に対する大量の人員を供給してきました。

ひよっこの世界に見られる、集団就職による若者の移転ですね。

それは日本が高度経済成長を成し遂げるための布石として機能し、大量の都市生活者を生み出しました。

そこでの労働者は「工場」という「場所」に依存せざるを得ないため、都市近郊にボンボンと集合住宅が建てられました。

ちなみに私の生まれた千葉県の船橋市にも、埋め立ての食品コンビナートが整備され、その中にURの団地が建ち、私はそこで育ちました。

平成の仕事

昭和以降、一次産業は徐々に衰退し、都市部への人口流入に拍車をかけました。

日本政府は補助金や税制といった、ありとあらゆる手段で一次産業に対する延命を行っていますが、それでも衰退に歯止めはかけられません。

ある意味、昭和の都市部は「二次産業」を作り出すことにより、「一次産業」から人を奪ってきました。

しかしながら、平成の時代では、「都市部の仕事」でさえも、「どこでも出来る仕事」に変化しつつあります。

代表的なのはIT産業。それはインターネットがもたらした福音であるとも取れますが、私はSEをしていた会社員時代から、

(満員電車に乗る必要なくね・・・?)

って常々思っていました。システム障害は真夜中でさえも起きますし、そうなったら結局自宅でVPNを接続して仕事ができちゃうからです。

「仕事はいつでもどこでもできる」

その流れの象徴として、「クラウドワークス」や「ランサーズ」っていう素晴らしいサービスが普及しつつあります。

どちらのサービスも、2017年8月時点での登録者数は150万人ほど(参考情報)。

日本全体の就業者数を6500万人とすると、まだ2%程度に過ぎませんが、この流れは今後、間違いなく加速すると考えられます。

どうして?

その理由は大きく分けて、以下の2点です。

  1. 低賃金の一般化
  2. 副業の一般化

1. 低賃金の一般化

今や「専業主婦」なんていう言葉は過去の遺産。

平成時代は、「共働き世帯」の増加が顕著に増えた世代(すごくわかりやすいグラフはこちら)であり、それは「低賃金の一般化」という現象の裏返しです。

とりわけ都市部では、「生活コスト」がものすごく高くつきます。都市部での出生率の低さも、その表れではないでしょうか。

正社員であっても、都市部では生活をするので精一杯。

共働きで少しでも多くの稼ぎがないと、子供の教育負担を賄うことはできない状態です。

2. 副業の一般化

そうした「子育てしづらい」という事情や、「労働力人口の減少」といった事情から、政府も「生産性を・・・」とか何とか言って、労働力人口の維持を図ろうとしています。

そうした社会的な背景に応える流れで、副業を解禁する会社は今後益々増え、収入源は多様化していきます。

私が島で「副業支援事業」を始めようと思った背景もそのあたりでして、今後益々「副業でのお小遣い稼ぎ」が一般的になると考えられます。

平成以後の仕事

平成で芽を出し始めた

「副業による収入源の多様化」。

その流れが続き、浸透していきます。

「え!?収入源一つしかないの!?やばくない!?」

そういう日常会話がされるくらい、仕事と収入源に関する「新しい常識」が形成されていきます。

公務員が安泰?

いえいえ、副業の許されない正社員(正職員)でいること自体、最早リスクの高い生き方であると見なされるでしょう。

そこで起こるのが、「土地と仕事の分離」の加速です。

一次産業は昭和以来、ずっと「土地」に支配されていましたが、その従事者も(IT技術を活用すれば)場所に支配される必要はなくなります。

それ以外の産業でも、「土地」に対する依存度は低くなっていきます。平成の社会でさえ、工場の現場やコンビニでのレジ打ちは、日本人の仕事でなくなっています。

数カ月おきに場所を移動しながらインターネット上で仕事をするのが当たり前になってくるでしょう。

マイホームを買って、土地に骨を埋める

なんていう発想も既に時代遅れです。

なぜなら「土地」は「収入源」に対して無関係ですから。

「来週から3ヶ月間、ハワイに行って仕事&サーフィンしてくるわ!」

っていう生活スタイルが、平成以降の世界では一般的になります。

とりあえず、経験としてクラウドソーシングで仕事をしてみると、「実感として」それが理解されると思います。