研修2日目。
いすみ市では給食という公契約において有機食材の調達を推進していましたが、醤油で有名な千葉県野田市では、公共工事へのワーキングプアの解消を目的に、国を動かそうと考え全国に先駆けた「野田市公契約条例」を制定しました。
全国的に初めてとなる条例であったため、制度設計や不正の防止を含め、様々な創意工夫がされている事が分かりました。
一方で、理念型の条例だけを採択する自治体が散見されるなど、地方の足並みが揃わず、必ずしも意図したとおりの広がりを見せていないとのことでした。
こうした事を踏まえると、全体最適の視点で「国が行うべきことは国が行う」方が良い事もあると感じました。
五島市では、図書館やホテルなどの大型建設需要はひと段落しましたが、今後は老朽化した施設の解体や港湾の整備など、公共工事は継続的に発生します。
長崎でも、「(一社)長崎県建設業協会(根〆眞悟会長)は3日、長崎県に対し建設工事の最低制限価格について、設計金額の90~92%から、一律92%へと見直すことを要望した。」とあります。
公契約で業者泣かせとならないように、最低賃金との兼ね合いも見ながらバランスを保つことが必要と感じました。
2日間の研修を通じ、いすみ市、野田市の両市に共通していたことは、自分たちの自治体が率先して行動を起こし、それが全国的に注目される活動として、広がりを見せている点でした。
そこには首長の号令による政治的な意思決定、それに伴う様々な困難があると感じましたが、地方から国への変化を促す好事例として大変参考になりました。
生物多様性の確保や公共工事における品質確保など、いわゆる社会課題の解消に向け、自治体が独自で何とかしようとする姿勢がその核心ではないでしょうか。
今後の地方自治に対する議員からの提案として、その自治体だけにとらわれない広い視点、日本や社会全体への波及効果の視点を持つことの重要性を感じました。