地方自治体の役割は何か?
昨日の「いきなり!休校要請!」を受けて、各市町村の対応を見ました。
トップの号令で、これほどまでに大きな差が出るのか、と感じました。
一番素晴らしいと感じたのはつくば市の市長の対応です。
市民の事をしっかりと考えた、素晴らしい対応だと思います。
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新型コロナウイルスへの学校の対応について|つくば市公式ウェブサイト https://t.co/aKCmIihuTQ— 中西だいすけ(政治家志望) (@wakuwaku230) February 28, 2020
そこで改めて、「これからの自治体の首長は何を目指すべきなのか?」という事を考えさせられました。
絶対的に正しい政策はない
大前提として、「絶対的に正しい政策」は存在しません。
どこかの紐を引っ張れば、逆にどこかが縮むため、ゼロサムになる事が多いからです。
例えば、ある市町村で推進する移住政策によって生まれる「人口の社会増」は、他の市町村での「人口の社会減」だからです。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200228-00010000-huffpost-soci
「日本全体の財布」という点で見れば、離島に多くの予算をつぎ込んだ分、他の自治体に使えるお金が減っています。
政策的な部分での正しさを議論するのは、単に嗜好の問題に帰結すると言えそうです。
市町村がやるべきこと
それでも、これからの市町村がやるべきことは沢山ありそうです。
私なりにまとめると、以下の図のようになります。
上記図のオレンジ色の領域は、市民の命に直結する部分ですので、必ずやらなければいけない「義務的政策」です。関係者が多いため、政策の重要性は高くなります。
一方で、緑の部分はステークホルダーの数が少なく、市民の命に直結する部分ではないので、「オプション政策」になります。極論、やらなくても困りはしないという部分です。
今後は、コロナウイルスだけでなく、凶暴化する自然災害からいかに市民を守るか、という点で、「義務的政策」を履行するハードルが高くなります。
地方自治体は人口減少ですので、「従来と同じような」発想に基づき危機管理の体制(マンパワーベース)を敷いていては、手遅れになるケースが増えると考えられます。
そこで全ての自治体は、「義務的政策」のバージョンアップを考えていかなければいけません。具体的には、人手不足を補うAIやロボットの活用と、それを有効活用するための訓練です。
特に五島市のように、
- 物理的に隔離されている
- 高齢者の割合が格段に多い島々
は、義務的政策(安全保障・社会インフラ・公的サービス)の重要性が他の地域よりも高いです。
ところが、今の五島市を見ていると、力の入れ方が
オプション政策 > 義務的政策
のように感じられます。
まとめ
今後の社会の変化を考えると、
- 人口減少
- 自然災害の凶暴化
- 政治リスク・経済リスクの頻発
が避けられないため、「市民の命を守る」という命題のハードルが高くなっていきます。
そのため、地方自治体は従来の「雇用政策・移住政策」ばかりに注力するのではなく、
義務的政策をいかに完遂できるか?
という点を、技術活用の視点から考えていく必要があるでしょう。